金相場の推移について

①金相場の過去最高値は?(投稿日2023年6月20日現在)

日本における金買取価格の過去最高値は、昨日2023年6月19日に記録した9,762円/gです。

(純金インゴットのお買取価格です)

このように金相場が高騰してきた背景には様々な要因が重なった事もありますが、近年で流れでは、

2020年はコロナウイルス感染拡大の影響で世界情勢への不安が世界中に蔓延しており、

2020年7月米連邦準備制度理事会のパウエル議長が、今の経済低迷が「我々が経験した事のない」厳しさだとの認識を示し、

その後の記者会見で「経済の今後の道筋は極めて不透明であり、大部分はウイルスを抑制できるかどうかに左右される」、

と指摘した事で経済への不安が高まり、ドルを手放して金を買う人が増えました。

それに加えて、記憶にも新しい米国でシリコンバレー銀行(SVB)、シグネチャー銀行(Signature Bank)の経営破綻、

そして、スイスにある世界有数の金融機関クレディ・スイス(Credit Suisse)の経営不安を受けて海外の金先物価格が上昇しました。

影響は日本国内にも波及し、経済のリスクが高まった結果「有事の金」として金を購入する方が増えた事で価格が上昇しています。

それらの要因以外にも、米中の半導体貿易戦争やウクライナ有事が激化するなどによって生じた、

複数の材料が金相場を押し上げていると考えられます。

②金相場の過去最低値は?

次に「過去最高値は①で分かったけど、では逆に過去最低値は?」という話題ですが、

先に申し上げますと、1998年に記録した865円/gで、実に現在の1/10以下ですね。

とは言え、実は1980年に一度は6,000円台の高値をつけたのですが、その後は20年以上下落の一途を辿る事になります。

そして、1998年にはついに1g865円という史上最低価格を記録しました。

現在でもこの記録を下回る下落は起きていません。

この長期にわたる下落トレンドは、1983年にOPECが実施した原油価格の大幅な値下げから始まったとされています。

基本的に金価格は原油価格と比例の関係です。

また、80年代後半は日本が高度成長期に突入した時代でもあり、平均株価は大きく上昇して一時期は4万円近くにも達しています。

いわゆるバブル絶頂期ですね。

株価と金の相場は基本的に逆相関のため、金相場は大きく下落する事になったというわけです。

そして、1991年にバブルがはじけても金の価格は下がり続け1000円台に突入し、やがて上記した865円/gという価格を記録しました。

③2000年代の金相場は?

80年代から90年代の20年近くにわたって続いた金価格の下落でしたが、2000年代に入ると一転、下落から上昇へと転化します。

その要因には、2001年に起きたITバブル崩壊、世界同時多発テロ、2003年のイラク戦争といった地政学リスクの懸念が挙げられます。

史上最高の高値をつけたとき同様、株式や通貨の信用が失われてしまい、そのかわりに多くの金が買われ価格が上昇したというわけです。

また、2007年のサブプライムローン問題も金価格上昇の要因となりました。

この時までに金価格は、3000円台を突破しています。

さらに、2008年にはリーマンショックによって金価格は一時期値下がりを経ますが、3年もたたぬ間に再び上昇傾向へ転化します。

2012年にはアメリカも景気回復の兆しをみせています(2010年代はアメリカの株価も非常に順調でしたよね)。

そして、翌年には2013年金融緩和政策「アベノミクス」が実施され円安が促進されます。

同時に、金価格も1年で4000円台前半から5000円台に迫る急激な値上がり傾向を迎えます。

2020年のコロナ禍においても、感染リスクが与える経済への不安以外にも、

企業破綻連鎖やアメリカの経済支援策を含めた政治動向などの結果、

金相場が40年ぶりに史上最高値を更新し7,700円台まで金相場が上昇しています。

2023年はウクライナ有事における金相場上昇に加えて、米国にて大手銀行が立て続けに破産するなど、

様々な要因が金の相場に影響を及ぼしています。

金相場を見極めるには世界情勢をチェックし複数の材料を俯瞰してみることで、それらの関係の変化を注意深く観察することが重要です。

とは言え、金相場を読むのは非常に難しい事と思われます。

 

今回は金相場の過去最高値、過去最低値を中心に述べさせて頂きました。

ご存知の通り、金相場は毎日のように動いておりますが、現在は非常に高い状況と言えます。

当店としましても、毎日のように貴金属類をお買取させて頂いております。

デザインが古かったり、破損していたり、片方しかないピアスやイヤリングなど、

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