①男性用の時計を世界で初めて作ったCartier(カルティエ)
世界初の”男性用”腕時計を作ったのはカルティエと言われている事を皆様はご存知でしょうか?
1904年の事、ブラジルの富豪でありカルティエの顧客、友人でもあった、
飛行家のアルベルト・サントス=デュモン氏の依頼によってカルティエが試作した時計は、
ケースとラグを一体化させた世界初の男性用腕時計と言われています。
それまでにも腕時計に類するものは存在していたとの事ですが、ワイヤーラグにストラップを通す構造であり、
腕を振ると簡単に外れてしまうという欠陥があったそうです。
サントス=デュモン氏のカルティエへの依頼内容は、
“飛行中は懐中時計を取り出すことができないため、飛行中でも懐中時計を取り出すなどしなくても、時刻の確認ができること”
当時の飛行機の操縦は重く、両手操作が基本でした。
そのため、懐中時計を胸ポケットから取り出す事は容易ではありませんでした。
その要望に対して完成した時計が、今も残るサントス・デュモンです。
尚、サントス・デュモンに許諾を受け、この特別な1本の同型モデルは「サントス」として1911年に一般販売される事になりました。
男性向け量産型腕時計としては世界初の事となります。
②人気シリーズ(歴史も含めてご紹介)
2-1.タンク
1919年に発売された「タンク」は、ケースとラグが一体化した直線を強調したデザインが特徴のベゼルを持たない時計です。
このデザインは、第一次世界大戦を終戦に導いた「平和の象徴」であるルノーFT-17 軽戦車がモチーフであるとされています。
キャタピラがケースサイドとラグ、車体が文字盤・風防とストラップ(ベルト)にあたります。
すべてが画期的なデザインでしたが、風防ガラスとストラップ(ベルト)が同じ幅である点に注目すると、
タンク以前の腕時計はストラップ(ベルト)が細く、十分に耐久性の高いものとは言えませんでした。
そのように考えると、ここで初めて“腕時計”としてのフォルムが完成したといえるかと思います。
2-2.パシャ
少しややこしい書き方になりますが、「パシャ」は、1930年代にマラケシュ(モロッコ)の太守(パシャ)である、
エル・ジャヴィ公(1879-1956)からの要望で防水性能の高い時計が試作された事に由来します。
名前の「パシャ」は太守を意味し、高官に対して使われる尊称になります。
現在のパシャの原型になったモデルは1943年に登場しており、ラウンドケースに4つのアラビア数字、
ねじ込み式リュウズプロテクターを備え、現在のパシャと変わらないものでした。
カルティエのほとんどのコレクションはインデックスがローマ数字ですが、パシャは例外的にアラビア数字を採用しています。
ケースには4脚でなく2脚のラグが12時方向と6時方向に伸び、これをブレスレットやストラップで挟んで固定する独特な構造により、
カルティエの中でも特に独創的なラインと言えます。
「パシャ」は1985年に復活を果たすと、1995年にスポーティさを増した「パシャC」を発表します。
2006年に「パシャタイマー」、2009年に「ミス パシャ」をラインナップを連ねましたが、現在は「ミス パシャ」のみで展開しています。
2-3.カリブル・ドゥ・カルティエ
ここからは比較的近年に登場した時計をピックアップしていきます。
2010年に発表された「カリブル・ドゥ・カルティエ」は、カルティエ初の自社製ムーブメントであるCal. 1904 MCを搭載した、
メンズ時計コレクションになります。
1904の数字は、前述した現代的腕時計の祖である「サントス」プロトタイプの製作年です。
カリブルとはキャリバーのフランス語読みで、ムーブメントの型番を意味します。
つまりは・・・このモデル名は“カルティエのキャリバー”と意味となります。
そのような意味では、真のマニュファクチュールとして新たなスタートを切った事を記念するのかのようなモデルになります。
尚、これまでのカルティエのイメージを払拭した大胆なデザインは時計愛好家からの評価は高いものでしたが、
現在は生産終了となっています。
2-4.ドライブ・ドゥ・カルティエ
2016年に発売された「ドライブ・ドゥ・カルティエ」は、「カリブル・ドゥ・カルティエ」で搭載されたCal.1904 MCを用いた、
自動車がモチーフのメンズ時計コレクションになります。
斬新なケースフォルムを創出し続けてきたカルティエらしく、独創性のあるクッションシェイプの美しいケースが何と言っても最大の特徴だと思います。
ケースは縦幅に対して横幅が1mm大きく、このわずかな違いがタフさを感じさせます。
手巻きの二針モデルから、ムーンフェイズ搭載モデル、またレトログラード式で第二時間帯を表示するモデル、
そしてトゥールビヨン搭載モデルまで、多彩なラインナップを揃えているのも大きな魅力です。
2-5.バロンブルー・ドゥ・カルティエ
2007年に発売された「バロン ブルー ドゥ カルティエ」は、”青い風船”を意味するモデルです。
ケース形状は名前のとおり風船のようなふくらみを帯びた独特のフォルムが特徴で、そしてもう一つ特徴を挙げると、
もっとも目を引くのがリューズです。
リューズをケース内に収めるという独創的なデザインは、まさに「バロンブルー・ドゥ・カルティエ」にのみ許された特別なスタイルと言えます。
リューズにはサファイアクリスタルのカボションが嵌められており、主張しすぎない程度にほんのりと輝きを見せています。
サイズは28mm、33mm、36mm、37mm、40mm、42mm、44mm(ケースサイズは46.8×47.1)mmがラインナップされており、
またケース素材やダイヤルデザインのバリエーションも豊富に揃い、ペアモデルとしても良いのではないかと思います。
2-6.サントス・ドゥ・カルティエ
2018年に発売された「サントス ドゥ カルティエ」は、ベゼルを12時と6時方向に拡大し、ブレスレットとの一体感を高め、
よりスポーティな雰囲気が漂います。
信頼性の高い自社製ムーブメントCal.1847 MCの脱進機をシリコンに変更し、1200ガウス(約9万6000A/m)という高耐磁性能を実現しています。
また、ケースの厚みは約9mmと装着感もよく、防水性能は100mという事で、スポーツシーンでも使える実用性を強調したモデルです。
自社製のミドルケースとベゼルは垂直方向にわずかに湾曲させ、スクエアなボディに立体感を与えます。
さらに特徴として紹介したいのがブレスレットに付加された「スマートリンク」機能です。
これによりコマに内蔵された突起を押すだけでコマの調整が可能で、また、「クイックスイッチ」システムにより、
ワンプッシュでカーフスキンストラップとの付け替えが行える仕様になっています。
2-7.サントス・ドゥ・カルティエ・スケルトン
ブラジル人飛行士サントス-デュモンの要望を受けて、1904年に誕生した「サントス」、
そして、2019年の国際時計見本市で発表されたのが、サントス・デュモンの偉業に着想を得た「サントス・ドゥ・カルティエ・スケルトン」です。
スポットライトを使って夜間飛行に挑戦したというサントス・デュモンにちなみ、ケースにADLC加工(※)を施し、
インデックスと針にはスーパールミノバが塗布されています。
これまでのスポーツエレガンスの雰囲気から一転、タフな印象を受けるモデルとなっています。
キャリバーは、独自開発のCal.9612 MCを採用し、地板をカルティエのアイコンであるローマンインデックスの形を採用しています。
※ADLC加工・・・カーボン素材をベースにダイヤモンド並みに表面を硬度強化することで、傷が付きにくくなる加工技術です。
本日はカルティエの時計の特集でお送りしました。
カルティエの時計について、すべてを網羅する事は難しいですが、新しいモデルはもちろん、古いモデルも大歓迎です。
また、電池が切れていたり、破損箇所があるといった状態も不問です。
ご売却をお考えのカルティエの時計がありましたら、是非とも、
堺市西区上野芝向ヶ丘町の買取店、堺買取センターにご用命くださいませ。