①HUBLOT（ウブロ）の歴史
1979年にスイスのニヨンにて、イタリア人のカルロ・クロッコによって創業されました。
創業より40年余りですが、スイス時計産業の中では比較的新しいブランドです。
ブランドの名前の由来は、舩窓（船の採光用の小窓）で、フランス語で「ウブロ」は舩窓という意味を持ちます。
（イメージはこんな感じでしょうか）
創業の翌年の、1980年にラバーベルトを用いた腕時計「クラシック」をフェアにて発表しました。
ステンレススティールを使用したケースと、舩窓から着想を得たビス留めしたベゼル、
ストラップにラバーべルトを用いたデザインの腕時計「クラシック」は革新的でありましたが、
発売当初はあまりにもユニークな素材を選んだ為に伝統を重んじるスイスの時計産業から異端とされてしまいます。
スイス時計産業から認められなかった「クラシック」ですが、
カルロ・クロッコ氏の地道なPR活動によりイタリアのファッション業界で話題となり、
ヨーロッパの王族などに支持されるようになります。
しかし、「クラシック」は機械式時計ではなく、衝撃に強いとされるクォーツ式が主力だった点、
ラバーベルトのサイズ調整が不可だった点、コレクションが限られていた点等のネガティブな要素が重なり、
一般的には受け入れられず「ウブロ」は早くも経営難の厳しい局面を迎える事となります。
しかし、ここで運命をガラッと変えるモデルが誕生します。
ウブロと言えばこのモデル、ビッグ・バンの誕生です！
2005年に発売された「ビッグ・バン」は、セラミックのベゼル、ケースとラグにステンレススティールを採用した、
まさに異素材を融合（フュージョン）させた傑作です。
「ビッグ・バン」はスポーツ選手や著名なアーティストが愛用したことでメディアに露出が増え、一気に知名度が上がり、
ファッションに敏感な若者がこぞって愛用するようになっていきます。
時計愛好家だけでなく、ファッションに敏感な層からも支持されたことで爆発的な人気を得る事に成功します。
そして、現在に至るまで「ウブロ」の主力モデルとして支持され続けているのです。
「ビッグ・バン」の大成功により経営難の状況を脱し、ウブロは高級時計ブランドとしての地位を築き上げました。
2008年には、ルイ・ヴィトン率いる世界最大大手ファッショングループである「LVMH」の傘下となり、
2009年にはジュネーヴのニヨンにムーヴメントの開発を行うマニュファクチュールのアトリエを建築、2015年には第二社屋が完成しました。
「ビッグ・バン」の発売以来、優れた時計の製造技術と、巧みなマーケティング戦略が功を奏し、
「ウブロ」の勢いは右肩上がりに加速し続けています。
②代表的モデル、ビッグ・バンの魅力とは？
①の歴史でも触れましたが、「ウブロ」のブランド名の由来は、舩窓（船の採光用の小窓）です。
船の小さな窓のビス留に着目したクロッコ氏は、ブランド名に採用すると共に、時計のベゼルのデザインにビス留を取り入れました。
ベゼルに打ち込まれたビスはH型となっており、これは「ウブロ（HUBLOT)」のHからきていて統一性が図られています。
ビスが打ち込まれたベゼルを見ただけでも「ウブロ」の時計だと一目でわかる今や象徴的なデザインが特徴です。
他の時計ブランドと「ウブロ」が一線を画しているのは、デザイン性の高さにあります。
他のブランドにはない、独創的で華やかな派手さを兼ね揃えている点が特徴的です。
外装のケースに新素材や独自素材を使用し、異素材を融合させた現代的なデザインで、
男心をくすぐる複雑な機械が見て取れる外観はファッションに敏感な若者だけでなく、時計愛好家からも支持されています。
「ウブロ」の時計は着用していると、すぐに「ウブロ」の時計だと認識できる点も魅力的です。
2010年、「ウブロ」は2年の歳月をかけて、クロノグラフムーブメント「ウニコ」を完全自社で開発・製造する事に成功しました。
自社でハイスペックなムーブメントを開発した事により、「ウブロ」は高級時計マニュファクチュールブランドの仲間入りを果たします。
「ウニコ」は、330個の部品で構成されており、72時間のパワーリザーブをもつフライバッククロノグラフムーブメントです。
幾何学的で現代的な男心をくすぐるメカニックなデザインが特徴と言えます。
自動巻クロノグラフムーヴメントとして「キング・パワー・ウニコ」に搭載、2013年以降は「ビッグ・バン」にも搭載されるようになりました。
「ウブロ」を代表する主力モデル「ビッグ・バン」と自社開発ムーブメント「ウニコ」の融合は大きな話題を呼び、絶大な人気を博しました。
「ビッグ・バン・ウニコ」の発売と共に「ウブロ」は超複雑ハイスペックな時計ブランドとしての性格がより強化されていきました。
③アスリートや著名人が愛用、そしてコラボも
世界中の著名人や王族、有名アスリートが愛用している為、「成功者の時計」とも言われるようになりました。
ジャマイカの陸上競技短距離のウサイン・ボルト選手や、サッカーのネイマール選手、長友佑都選手など、
超一流のアスリートをアンバサダーに起用する事で「成功者の時計」としてのイメージを確立する事に成功しました。
そして、上記のようにスポーツと深く関わりのある時計ブランドである事から、アイルトン・セナやマラドーナ、
ウサイン・ボルト、田中将大などの数々のスポーツ選手とのコラボレーションアイテムを発表しています。
また、「ウブロ」はスイスの時計ブランドの中で唯一イタリアの高級車「フェラーリ」と提携しています。
「ウブロ」と「フェラーリ」は2011年より協業関係を深めていて、「フェラーリ」のブランドイメージ構築や、
モータースポーツにおいて「オフィシャルウォッチ」、「オフィシャルタイムキーパー」に採用されています。
翌年の2021年には、完全自社製造ムーブメント「ウニコ」を搭載し、「フェラーリ」のDNAを体現した「ビッグバン・フェラーリ」を発表しました。
「フェラーリ・モデル」は近年「ビッグバン」「クラシック・フュージョン」の主力モデルで発表されていて次々に新しいデザインが登場し続けています。
ちなみに、「ベルルッティ」とのコラボ商品もあります。
④主力のモデルとは？
主力モデルは大きく分けると、「ビッグ・バン」、「クラシック・フュージョン」の2種類で、どのモデルもこの2種類の主力モデルから派生しています。
・ビッグ・バン
経営難に陥った「ウブロ」を再構する為に当時就任したばかりのCEOジャン・クロード・ビバ氏が打ち出したコンセプト、
「フュージョン（融合）」を元にウブロの歴史を変える最高傑作の腕時計「ビッグ・バン」が誕生しました。
2005年に発表された「ビッグバン」はウブロの時計の中で最も認知度の高いモデルです。
「ビッグバン」は「デカ厚」を取り入れた独創的で派手目なデザインが特徴です。
異素材を融合させた素材と、「ウブロ」のビス留めされたベゼルと、ビス留め先のストラップ、
両サイドの突起などの伝統的な特徴を継承しました。
存在感があり、一目で「ウブロ」の時計とわかる「ビッグバン」は若者達を中心に人気を博し、
その年のジュネーヴ・ウォッチグランプリでベスト・デザイン・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。
「ビッグバン」のローンチに成功した「ウブロ」の収益はわずか4年で10倍にも跳ね上がり、
「ウブロ」は経営難を脱してブランドの立て直しに成功、高級時計の主力ブランドとして名を馳せるようになりました。
多くの著名人やスポーツ選手が愛用している事から「成功者の時計」とも称されています。
その後、「ビッグバン」から派生したモデル「キングパワー」、
「ビッグバン」のボディをスケルトン化した「アエロバン」が発表されると人気に拍車がかかり、
ファッション業界からも大いに評価されウブロは人気の高級時計ブランドとしての地位を固めました。
・クラシックフュージョン
1980年に発売された「クラシック」のDNAを引き継ぎ、現代版に再解釈して誕生したのが「クラシック フュージョン」です。
ビッグ・バンと違い、「クラシック フュージョン」は薄型でエレガントなデザインが特徴で構造もシンプルです。
「クラシック フュージョン」はスポーツウォッチですが、ドレスウォッチのようにシンプルでエレガントな一面も持ち合わせています。
サイズも33㎜、38㎜、42㎜、45㎜の4種類なので女性の華奢な腕にもマッチする事から、男女問わず人気の高いモデル、
ペアウォッチとしても良いのではと思います。
また、スーツスタイルにも良く合い、ビジネスシーンにも活躍する事から、主張が強い「ビッグ・バン」と違って普段使いモデルです。
シンプルな3針モデルの他にも、クロノグラフやムーンフェイズ搭載モデル、スモールセコンド搭載モデルが展開されています。
また、「クラシック フュージョン」はウブロで展開している時計の中でも、比較的エントリーモデルで購入しやすい価格帯で、
シンプルなモデルであれば50万円〜手に入れる事が可能なのも魅力の一つです。
・スマートウォッチ ビッグ・バン（ビッグ・バンe）
Apple社の「Applewatch」人気に影響を受け、高級ブランドでもスマートウォッチを次々に開発して発表しています。
「ウブロ」もまた、2020年にスマートウォッチを発売しました。
その名も「ビッグバンe」、ウブロの主力モデル「ビッグバン」をデザインのベースとしており、
文字盤はAMOLEDを使った液晶画面で世界時計やパーべチャルカレンダーなどの表示に切り替えることが可能です。
舩窓を模したビス留のベゼルがウブロの時計の特徴ですが、「ビッグバンe」は世界各都市の時間を表示するために、
ビス留めではなく1から12までの数字がベゼルに描かれています。
ムーブメントの替わりに搭載されているのは、同じLVMHグループである「タグ・ホイヤー」や、
「ルイ・ヴィトン」のスマートウォッチと同じQualcomm社製のものです。
ソフトウェアはWear OS by googleで、iPhoneとAndroidどちらにも対応可能です。
ストラップベルトは特許取得のワンクリックで簡単に交換できるインターチェンジラブル仕様の為、
気分に合わせてラバー素材のベルトからアリゲーターのベルトまで交換できます。
価格帯は60万円〜とバッテリー駆動のスマートウォッチにしてはかなり高額な価格帯です。
「ビッグ・バン」シリーズの中では低価格と言えますが、バッテリー駆動の為、機械式時計と違いせいぜい持って5年から10年、
世代を超えて受け継ぐ事が出来る機械式時計の価値と比べると「ビッグバンe」は寿命が短く、その割には高額で非常に贅沢な時計と言えそうです。
本日はHUBLOT（ウブロ）について触れてきましたがいかがでしたでしょうか？
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